近年、日本でも注目されている「STEAM教育(スティーム教育)」はご存知でしょうか?
もしかすると、なんとなく聞いたことがある程度で、「実際はどんな教育なの?」と気になっている方も多いのではないかと思います。
STEAMの歴史を一から順に全てを学ぼうすると、とても奥深く時間もかかってしまう為、STEAM教育がどいうものかの簡単な説明と、子どもに何を取り入れれば良いか?という点についてまとめてみました。
本記事は、このような疑問を解決する内容となっています。
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STEAM教育って何?目的や意味を解説します!
「STEAM」とは?名前の意味を解説
STEAMとは、Siense・Technology・Engineering・Arts・Mathematicsの5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語です。
Science(科学)
Technology(技術)
Engineering(工学)
Art(芸術)
Mathematics(数学)
日本では「技術」と「工学」の区別はわかりにくいかもしれません。技術=ツールを作ること、工学=そのツールを活かす方法と考えていただければ良いです。
ちなみに、STEAMの中に含まれるArts(アーツ)という言葉は、
日本語で言うアート(芸術)という意味もあるが、それだけではないのじゃ。
「リベラル・アーツ」=「教養」や、「Humanities」=「人文学」といった
意味も含まれており、「芸術」よりも幅広い意味があるのじゃよ。
STEAMの「A」には
そんな意味があったのね!
STEAMの教育理念や方針って?
STEAM教育とは、STEAMという単語からもお分かりのように、科学(サイエンス)・技術(テクノロジー)・工学(エンジニアリング)・芸術(アート)・数学(マセマティックス)の5つの分野を横断的に学ぶもので、アメリカ発祥の教育理念です。
学校のお勉強を予習・復習するようなものではなく、「理数系教育+アート教育」とも表現され、思考力や創造性を引き出し、地頭を育てる狙いがあります。
化学やテクノロジー、アートやデザインなど、あらゆる分野が融合することで深い学びを得られることが可能です。
また、領域の境界線を超え、子どもの「探究心」や「好奇心」といった、わくわくする気持ちを大切に進めていくのも特徴です。それが結果的に、子どものやる気・思考力・問題解決力などの力を身につけることに繋がるからです。
STEAM教育は、
科目の融合によって相乗効果が生まれ、
活性化した学びができるのじゃ。
今STEAM教育が注目されてる理由とは?
アメリカで発祥したSTEAM教育
日本でも少しづつ浸透してきた「STEM」や「STEAM」という言葉ですが、アメリカでは1990年代の後半から使われていました。(「STEM教育」から、後に芸術・教養・人文学などを意味する「Arts」の「A」が含まれ、「STEAM教育」となりました。)
もともと教育問題への関心が高かったオバマ大統領が、重要な政策課題として取り上げたところから一気に注目を集めるようになりました。STEM教育は、21世紀の初頭から国際学調査の影響で急速に世界に広まりました。
日本はどう?文部科学省も推奨しているSTEAM教育
2020年度には学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、小学生から「プログラミング」の授業が必修化となり、小学校中学年から「外国語教育」が導入されるなど、今後ますます発展するグローバル化や人工知能・AIなどのへの技術革新に対応できる力を育成しようという考えが見られます。
急速な技術革新で予測が困難な時代だからこそ、自ら考え、学び、判断していく力が必要となります。
文部科学省でもSTEAM教育(各教科等横断的な学習)が推奨されています。
文系・理系といった枠にとらわれず、各教科の学びを基盤としつつ、さまざまな情報を活用・統合して学ぶこと、それにより課題の発見や問題解決につながり、さらには社会的な価値の創造に結びつけていく資質・能力の育成が求められるといっています。
STEAMの効果は?事例・具体例も説明!
教育や人材育成の分野で、科学とアートの繋がりが注目を集めていて、以下のような研究結果も出されています。
・絵画などの視覚芸術のトレーニングが空間認知力や、科学の観察力を向上させる。
・音楽や演劇のトレーニングが記憶力や言語能力の向上をもたらす。
・学習者の自信を高め、コミュニケーション力が向上。
これらはアートによる影響のごく一部ですが、こういった分野での近年の動きや意識の高まりが見受けられ、さらに言えば、人間の感性や能力を活かす方法が求められるようになっています。
他にもSTEAMについてこんな例があります。
〈絶えず変化するベイブリッジライトデザイン〉
2013年にサンフランシスコとオークランドを結ぶ約3キロの吊り橋を作品に仕上げた「湾に浮かぶ光」という橋のアートです。
2万5000個を超えるLED電球が夕暮れ時から夜明けまで輝く巨大アートで、一つ一つの電球はコンピューターのプログラム管理により点滅。点滅の仕掛けも1年間の中で、同じ形で繰り返されないよう数学的アルゴリズムが組まれています。外のアートなので、雨や風に耐えられるよう、電球を支える器具は特別仕様。
ソフト(プログラム等の技術)とハード(設備や器具)の両面で最新のテクノロジーとアートが融合されています。
それまではあまり注目されてこなかった吊り橋が、この現代アートによって今では大勢の地元住民が眺めにやってきたり、ベイブリッジクルーズなど新たな観光ビジネスにも展開していきました。
「アート作品」といっても、この企画には芸術家やハイテク関係者、数学者、科学者などさまざまな領域で専門の人たちが協力しなければ完成し得なかったもので、まさに「STEAM」について理解しやすい実例だと思います。
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これからの時代に必要なSTEAM人材とは?
STEAM教育にともない、「STEAM人材」という言葉も生まれています。
これからのAI時代、グローバル時代にはどんな人材が必要とされるのでしょう。
STEAM人材ってどういう人のこと?
社会や教育が大きく変わっていき、AI(人工知能)が普及していくこれからは、言われたことをそつなくこなすだけでは評価されにくい時代となります。人が思いつかないような発想力があるなど、何か突出したものを持っている人材が活躍する時代となります。
課題や問題点がはっきりしない状況でも、新たな切り口で需要を開拓したり、思いもよらない新しい何かを生み出す人材が必要とされます!
STEAM人材とは、つながっていないものを関連づけることで人とは違う考え方・新たな発想を生み出せる人のことを言います。
そして、「考え抜く力」「創造力」「分析力」「効果的なコミュニケーションで協働する力」
といったものが21世紀に求められるスキルと言われておるぞ。
活躍しているSTEAM人材に共通のマインドセット
では、実際にSTEAM人材として活躍している人たちの心理状態や価値観・信念といった内面の部分はどうなっているのか?マインドセットについて書いていきます。
《STEAM人材に共通するマインドセット》
・型にはまらない。
→もともとある価値観や常識にとらわれると、自由な発想が生まれにくい。
・ひとまずやってみる。
→スピード感を持ち、リスクを取りながら発想を行動に変えていく。
例)商品開発の現場で、とにかく作って出荷し、不具合はソフトウェアのアップデートで補う。
品質管理よりも、まずはひらめいた発想を重視し、迷わず形にしてみる。
・失敗を恐れない。試行錯誤ができる。
→「失敗」から学び次の一歩につなげる。リスクをとって多様な体験を積み、失敗から学んだ人材が、常識を破り、思わぬ発想を生み出せる。
STEAM教育はテクノロジーだけでなく、アート・デザイン領域の要素も取り入れ発想する。
そうして生み出したものは「人間のためになっているか」「人間にとって価値があるものか」といった、人間中心で考えるというマインドが存在しています。
『マインドセット「やればできる!」の研究』について
これらのマインドセットは、先天的に備わっているものではなく、環境により身につけられるものです。
アメリカの心理学者キャロル・ドゥエック(Carol S.Dweck)は、人間の能力は経験や学習によって伸ばすことができるという仮説を20年間にわたる調査で実証しています。
ドゥエックの著書『マインドセット「やればできる!」の研究』はベストセラーとなり、教育現場、企業のリーダーシップ研修、家庭の育児にいたるまで、大きな反響を与えている本です。
教育によって誰もがSTEAM人材になれる可能性があるということを教えてくれています。
難しい問題に直面した場合、それをやりたがらない学生と、反対に目を輝かせてチャレンジする学生がいます。この違いは能力をめぐる二つの世界観にあると着目しました。
例えば、パズルの問題を与え、正解した子どもたちに2種類の異なるリアクションを与えます。
「君は頭がいいね。」という反応と、「君はすごく頑張ったね。」という反応です。
「頭がいいね」という反応をされ続けた子は、能力は生まれつき決まっていると考える「固定型マインドセット」を持つようになります。
失敗が続くと自分には能力が足りないのだと自身で結論づけて、諦めやすくなったり、挑戦することに臆病になります。
一方で、「すごく頑張ったね」という褒め方をされた子どもは、正解した結果そのものよりも、到達するまでの過程を重視することを学び、能力は努力次第で伸ばせると考える「成長型マインドセット」を発達させるのです。
成長型マインドセットの持ち主は、あえてリスクのある選択をしても果敢に挑戦し続け、失敗体験から学び次に活かそうとするため、結果として自分の中にある潜在能力を伸ばすことになります。
「型にはまらない」「まずやってみる」「失敗して前進する」
の行動姿勢を周囲から「よく頑張っているね」と認めてもらうことで、
「やればできるんだ!」というマインドセットを身につけられるのじゃ。
がんばる過程を褒める。
日常の声かけが大切なのね。
意識してみよう!
STEAM教育を取り入れたい!何を始めたら良い?
STEAMは日本ではまだ他の国に比べるとあまり根付いていなく、学習教材も少ないのが現状です。
しかしSTEAM教育がこれからの子どもの未来に必要だと感じた時、さて、どうやって取り入れようか?と考えるご家庭も多いはずです。
私もその一人で、いろいろ調べてみた結果まずは自宅でできる通信教材から初めて見ることにしました。
自宅で気軽に始められる!STEAM教育の通信教材
特に幼児・小学校低学年などの小さなお子様には、ご自宅で取り組めるSTEAM教育の通信教材をおすすめします。
我が家の娘2人(3歳・小1)も大好きな「ワンダーボックス 」という教材です。
お家の隙間時間でSTEAM教育はできないかと探し、行き着いたのがこちらの教材です。
まだ通信教育のSTEAM教材は数少ないのですが、ワンダーボックス はSTEAMの5つの領域がしっかり含まれていて何より楽しんで学べるところが魅力です!
そんなワンダーボックスについて簡単に表で説明しますね。
「WONDERBOX」(ワンダーボックス)
教材内容 | ・アプリ(ご自宅にあるタブレットやスマホで利用可) ・知育キット(毎月ご自宅に届きます) |
学習内容 | プログラミング・サイエンス・アートなどの STEAM教育をカバーする内容 |
料金 | 月額3,700円〜 きょうだいは一人追加ごとに1,850円/月 (学年が上がっても料金はそのまま) |
対象年齢 | 4〜10歳 |
ワンダーボックス
参考*「世界を変えるSTEAM人材」(朝日新書)著者:ヤング吉原麻里子・木島里江