こんにちは!「STEAM教育の木」編集部です。
STEAM教育者として活躍されている中島さち子さんをご存知でしょうか?中島さんは、教育者だけでなく、数学研究者やジャズピアニストと、幅広い分野で活躍されているんです。本記事では、そんな中島ちさ子さんの過去のインタビュー、お家でできるSTEAM教材についてまとめています!
これからの時代に必須な力!
ジャズピアニストで数学者?中島さち子さんってどんな人?
作曲も手がけるジャズピアニストであり、国際数学オリンピックでは高校2年生の時に、日本女性で初めて金メダルを獲得した中島ちさ子さん。
その後東京大学へ進学。数学への研究をさらに深めていきました。
2025年の大阪・関西万博のプロデューサーを務めるなど、幅広い分野で活躍されています!
そんな中島さち子さんが、最も力を入れているのがSTEAM教育。
中島さん自身は学生時代、好きなもの(音楽・数学など)と出会い、それを追求する楽しさを知ったけれど、娘さんを出産し子育てをしていく中で、好きなものに出会え追求できる環境って当たり前のことではなかったんだ!と痛感したそう。
そんな背景から自身の経験を活かしたい!と、現在のSTEAM教育者としての活動があるそうです。
中島さんが言うSTEAM教育って何?
そもそもSTEAM教育とは?
Science(科学)
Technology(技術)
Engineering(工学)
Arts(芸術)
Mathematics(数学)
このように、それぞれの分野の英単語を組み合わせた造語を「STEAM(スティーム)」と呼んでいます。
STEAM教育とは、それぞれの領域を横断的に学ぶものです。科目の融合によって相乗効果が生まれ、活性化した学びをすることが狙いです。
STEAM教育=子どもの「思考力」や「創造性」を引き出し地頭を育てる。
そのためには「探究心」や「好奇心」といったわくわくする気持ちを大切に進めていくことが大切!
「科学者のように考え、エンジニアのようにものを作る。」
自分なりに問いをたて、新しい世界を生み出していく。
自分自身が未来につながるカケラを作っていくんだ!というマインドを育てるのがSTEAM教育の本質です。
もともと教育問題への関心が高かったオバマ大統領が、STEAM教育を重要な政策課題としたところから「STEAM」が一気に注目を集めるようになりました。そんなオバマ大統領も、ゲームをするだけでなく「ゲームを創る側の人間になろう!」と言っています。
ゲームをひとつ作るにしても、パソコンやプログラミングなど、機械に強いだけではダメです。
レアキャラは何%出現させようか?と、数学の領域が必要だったり、みんなを惹きつける、キャラクターはどんなのにしよう?と、アートやデザインの分野が必要で、それぞれを横断的に知る必要があるのです。
高校でのSTEAM教育の取り組み
中島さんが高校生へ実際に行った授業の一例をご紹介します。
生徒それぞれに歩数計を持たせてフィールドワークをする授業で、曜日や天気など、条件で歩数がどう変わるのか仮説・検証をするという内容なのですが、それだけでは終わらず、プログラミングを通じて歩数計はどのように作れるか?までを学んでいくのです。
その根底には、どうしたら健康のためにみんなが歩きたくなるのか?と、人間のためになるアイデアやデザインを生み出すマインドづくりがあります。
決まったことをやる授業ではなく、自分の頭で想像したり、周りと協力し試行錯誤しながら進めていく。そして新たな発想を生み出していくことが思考力や創造力を育てます。
21世紀は創造性の民主化時代?
中島さんは、21世紀は創造性の民主化時代!と公言しています。この言葉にはどんな意味が込められているのでしょう。特に日本では、「創造性」という言葉に対して、作るのが怖いとか、自分には創造力がない、など、苦手意識を持っている人が多いのが現状です。しかし、これからの時代は一人一人が創造性や個性を出しやすくなっていて、
何かを発信できる!
自分なりの多様な感覚に価値がある時代なんだ!
自分たちが未来に関われるんだ!
という自覚を持つことが大切で、それにより、子どもたち自身で明るい未来を切り開いていけると伝えています。
そして、自分なりの多様な感覚に価値を生み出すことは、一人ではなく、いろいろなものとの掛け算によって生まれることがあるのです。
親の立場になると、AIやグローバル化が急速に進み、予測不能な子どもの将来に不安を感じますよね。だからこそ、STEAM教育で周りと協力・意見を出し合いながら新たな物や価値を生み出していく、そんな人間育成が狙いとしてあります。
STEAM教育って奥が深いのね、
お家でもできることってあるのかしら?
次はそんな疑問にお答えしていきます!
〈経済産業省〉STEAMライブラリー 未来の教室
中島ちさ子さんも携わっている「STEAMライブラリー」は、経済産業省が展開している実証事業です。
子どもの興味や関心に応じて教材となるコンテンツをネット検索できる、言わばオンライン図書館!
「STEAM教育」と同様、STEAMライブラリーに掲載されているコンテンツにも「勉強の仕方」や「正解」は書いていなく、「こうしなければならない」という概念がありません。
用意されている動画やワークシート、資料などを自由に取り扱い、活用してほしいという思いで作られています。
また、今後の展開として、ワークショップやプロジェクト、成果発表会、コンテストなどのアウトプットの場も提供されるそうです!
WONDER BOX(ワンダーボックス)
ワンダーボックス(WONDERBOX)は思考力と創造性が育まれるSTEAMの通信教材です!
特徴としては、「STEAM教育のサブスク」と言われるくらいコンテンツ量が豊富で、お家に届く知育キットやアプリで遊び感覚で取り組めるものです。お子さまも飽きることなく続けられる工夫がされていますよ。
詳しい内容は公式のホームページでチェックしてみてくださいね。
これからの時代に必須な力!
3歳がワンダーボックスを先取りしたレビュー記事や、体験版アプリの詳細についてもご参考ください。
Groovy Lab in a BOX(グルービーラボインアボックス)
グルービーラボインアボックス(Groovy Lab in a Box)は、お家に実験セットが届くSTEAM教材です。
科学者と同じメソッドを疑似体験しよう!というもので、以下のような学習効果があります↓
・トライアンドエラーをしながら手、頭を使い成長につながる
・突飛なアイディアを活かし、創造力が身に付く
・思考力が鍛えられる
・教材が英語(日本語にも対応している)なので、英語にも触れられる
詳細を見てみる
グルービーラボの正直な感想・体験レビュー記事も併せて読んでみて下さい。
STEAM教育のおすすめ本!わくわく科学実験図鑑
「なぜ?どうして?がよくわかるわくわく科学実験図鑑」(クリスタル・チャタトン・訳:岩田佳代子)は、全世界でシリーズ累計40万部以上のベストセラーの実験図鑑。
対象は小学生(全学年)です。
写真が豊富で、小学生でもわかりやすい言葉で書かれていますよ。
また、STEAMの観点がベースとなり、さまざまな分野との掛け合わせで行う実験がたくさん紹介されています!
全てお家でできる内容なので、自由研究の題材なんかにも使えますね。
プログラミング学習
最近、子どものプログラミング教室が増えている背景として、2020年から小学校でプログラミングの授業が必修化となったのが挙げられます。
これは、難しいコードを書いてプログラミングの専門スキルを高めるのが狙いではありません。実はプログラミング学習も立派なSTEAM教育で、数学の知識やゲームやロボットを作り上げるアートな部分も要します。プログラミングって、0から作品を作り上げる過程で、自然とさまざまな分野に触れ、学んでいくんですよね。
プログラミング的思考を身につけると、将来必要な生きるチカラが養えます!
プログラミング的思考とは「目標達成のために、具体的な行動を伴った最適な手段を選択する考え方」です。
引用元:文部科学省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について」
物事には「目的」と、目的にたどり着くまでの「過程」が存在します。そのことを意識して行動できるかどうかは、社会を生き抜いていくうえで非常に重要なポイントとなります。
もし「過程」に誤りがあり「目的」にたどり着けないことがあったとしても、「過程」のどの部分が問題なのか、どう考え直せばいいのかなど、改善点を見つけ出すときも容易です。
失敗してもすぐに立ち上がり、成功という目標を達成できる人の思考には、少なからず『プログラミング的思考』が隠れているのです。
つまり『プログラミング的思考』とは、自分自身を成功へと導くためのサポートをしてくれる重要な「思考」であり、社会を生き抜いていくために欠かせない「武器」になるのです。
プログラミング教室を比較した記事や、安くておすすめのプログラミング教室3選の記事もぜひ参考にしてみて下さいね。
興味のある方は、自宅で取り入れられるSTEAM教材の紹介記事もありますので、ぜひ読んでみて下さいね。